今日のテーマはガスライティングです。狙われやすい人の特徴、人付き合い苦手な人がガスライティングから身を守るための方法について書いていくので、よろしくお願いします。
ガスライティングとは
ガスライティング(gaslighting)とは、精神的な嫌がらせのことです。加害者が被害者を意図的に不安や混乱に陥るよう仕向けるやり方が特徴と言えます。被害者には「嫌がらせされている」という不快感はありますが、確実な証拠をつかみにくいため、非常に陰湿で狡猾ないじめです。
ガスライティングをする側が複数であることも少なくありません。集団で口裏を合わせ、被害者を「自意識過剰」「被害妄想が強い人」に見せることもあります。そして、加害者側のさらなる情報操作により「被害者側に非がある」「被害者はおかしくなっている」とされるリスクも高いです。
簡単に加害者を特定できないことはもちろん、嫌がらせに加担した人物全員を訴えることが難しいのも、被害者が不利な状況となる一因です。
ガスライティングの例
ガスライティングが行われる例として、以下の3つを紹介します。
モラハラ
モラハラとは、モラルや倫理に反する言動で相手を傷つける行為です。モラハラもガスライティングの一種で、ターゲットを不安にさせる、貶めるなどして思考能力を奪います。被害者に「自分が悪いのでは」と思わせることで逃げにくくなる、加害を正当化してしまう、さらに弱い立場の人間を巻き込んでしまうことも問題です。
いじめ
ガスライティングはいじめでもよく使われる手法です。いじめの中でも集団、被害者が所属するコミュニティ全体で加害を行う場合に多いでしょう。ターゲットに嫌がらせを行い不安にさせ、その様子を眺めて仲間内で楽しむというやり方です。
精神的な攻撃以外だと、暴力未遂では一見事故と思えるようなやり方をすることもあります。被害者が訴えても加担者で話を合わせるなど、外から見たら実態がわからないため、助けを求めることが困難になっていきます。
つきまとい
つきまとい、ストーカー行為もガスライティングの一種です。ターゲットの追跡や監視、仲間内で勝手に個人的な情報を共有するなどして、被害者を不安にさせます。ご近所の噂話、ネットでのストーカーなど、数年前まではあまり加害と認識されていなかった行為かもしれません。
ガスライティングする側の目的
以下からは、ガスライティングする側の目的についてまとめました。
気を引く
ガスライティングの加害者は、被害者の注意を引きたいという欲求から嫌がらせを行うことがあります。被害者の意識を自分に向けさせることで、満足感や支配欲を満たそうとするのです。「どんな反応をするのか見てみたい」といったはた迷惑な好奇心から付け狙われることもあるかもしれません。
ガスライティングという行為はもう悪意の塊でしかないです。それを「気を引きたい」「反応が見たい」という動機でやる相手がいたら、かなり質が悪いと思います。相談する相手を誤ると「好意なんだから許してあげたら?」「人に興味があるのは自然なこと!いいことなんです!」などと言われるパターンも想像してしまいます。
排除する
ターゲットを排除するためにガスライティングが行われることもあります。コミュニティから気に入らない人物を追い出そうとする場合などでしょうか。孤立させるためにターゲットにわかるように仲間外れにする、情報を回さないようにするといった感じです。同時に被害者にとって不利な情報を流し、加担していなかった人からも嫌われるように仕向けます。
破滅させる
ガスライティングを行う目的に、相手を破滅させるというものがあります。加害者はターゲットの自尊心や自己肯定感を破壊し、不安や疑心暗鬼状態に追い込み、自ら破滅的な行動をする、人から嫌われるよう仕向けます。わざと間違った情報を教える、悪目立ちさせるなども被害者を破滅させるための手口です。
ガスライティングを行う人の特徴
ここでは、ガスライティングを行う人の特徴についてまとめました。
嫉妬深い
ガスライティングの加害者は嫉妬深いという特徴があります。周囲の人々やターゲットへコンプレックスを抱いていることが多いです。自身の不安や劣等感を他人、特に自分より弱そうな人に投影してくることもあります。
自己中心的
ガスライティングの加害者は自己中心的です。他人、特に見下している人間への共感力が低く、気に食わない人間には一切配慮しないこともあります。自分の利益や欲を優先するために「好ましくない他人、雑に扱っていい他人」を利用し、不利益を押し付けたり傷付けたりしがちです。
他人の不幸を面白がる
ガスライティングの加害者は、他人の不幸を楽しむ傾向があります。ターゲットを苦しめることで鬱憤を晴らし、支配欲を満たそうとします。
自分が一番でないと気が済まない
ガスライティングの加害者は自分が一番であることにこだわりがちです。他人に対して優位性を追求し、常に相手より上に立つことに執着します。自分が一番でいるために、他人を見下して自分の価値を高めようとすることがあります。
ガスライティングのターゲットになりやすい人の特徴
次に、ガスライティングのターゲットになりやすい人の特徴をまとめました。
孤立している人
ガスライティングのターゲットになりやすい人、それはコミュニティで孤立している人です。もともとガスライティングの加害者はターゲットを周囲から孤立させようとするのですが、孤立している人はその手間がないため、簡単に追い詰めることができてしまいます。
また孤立しているほかに、体や心が弱っている人、高齢者なども周囲に悪意を持つ人が入り込みやすく、ガスライティングの被害に遭いやすいです。
リアクションが大きい人
リアクションが大きい人もガスライティングのターゲットになりやすいです。ガスライティングは相手を混乱させ、不安や怒りなどネガティブな感情を引き起こすことを目的としています。よってリアクションが大きい人、つまり感情的な反応が大きい人は、加害者にとっては魅力的なターゲットとなってしまうのです。
繊細で傷付きやすい人
繊細で傷付きやすい人もガスライティングされやすいです。狙われやすいというより、ターゲットになった場合、ダメージが大きくなりやすいというべきかもしれません。加害者はターゲットの自信、安心感などを壊して混乱させますが、繊細で傷付きやすい人は、ガスライティングの影響をより深刻に受けてしまいます。
他人に依存している人
他人に依存している人もガスライティングの被害者になることがあります。自分に自信がなく、他人からの評価に敏感であるため、加害者にとって追い込みやすいタイプといえるでしょう。
トラウマや心理的な問題を抱えている人
トラウマや心理的問題を抱える人も、ガスライティングされやすいです。感情が不安定になりやすく、混乱しやすいことも理由と言えます。また、トラウマや心理的な問題を抱えていると、他人への依存心が高まりやすいです。依存心は悪用されやすいため、加害者がターゲットをコントローラしやすい状況に陥ってしまいます。
人付き合いが苦手な人もガスライティングされやすい
孤立している、繊細で傷付きやすい、心理的問題を抱えているなど、人間関係をうまく築けない人はガスライティングのターゲットになりやすいです。人付き合いが苦手な人も狙われやすいと思っていたほうがいいでしょう。
でも自分で書いておいてなんですが、生き物の群れてないとより攻撃的なものに狙われるけど、群れていてもその中で嫌な目に遭う、ご機嫌を伺ってないと排除されるみたいなのが本当意味分からないし、人間なんて理性もあるはずなのに、いつまでこんな風なんだろうとうんざりしてしまいます。
確かに現実的に考えたらどこかに属しているほうが安全ではあるけれど、なんで単独、少数が危険かって言ったらそれを狙う側のせいなのに、被害者側が自衛のために我慢して群れてないといけないのが苦痛だなと思ってしまいました。
ガスライティングが起こりやすい状況
ここからはガスライティングが起こりやすい状況についてまとめていきます。
家族内の関係や相続、財産に関する問題
家族内の人間関係、特にお金に関する話題が出たときは、ガスライティングのリスクが高まります。加害者がガスライティングを利用して、他の家族や関係者を混乱させたり支配したりすることがあるからです。邪魔になりそうだと判断した人を排除しようと目論む人間が出るかもしれません。家族の中でも弱っている人を「高齢だから」「メンタルが弱っているから」など、本人の意志を無視した扱いをしてくることもあります。
お金が絡むと人は本性が出ます。それまで「いい人だった」というのは当てにならないと思っていたほうがいいでしょう。実際、家族の中でそこそこお金を持っていた人が亡くなると、急にそれまで関わったこともない親戚が出張ってくるというのはよく聞く話です。また夫や父などを亡くした女性に対し、それまでは温和な態度だった地域の人が、急にあれこれ言いがかりをつけてくるケースもあります。
恋愛や結婚、親子間で依存関係がある場合
恋愛や結婚もガスライティングが起こりやすい状態と言えます。どちらも相手を独占することを正当化しやすいため、モラハラ同様、加害がエスカレートしやすいです。恋愛や結婚では支配欲も高まりやすく、自分が満足感を得るために相手を混乱させ、不安定な状態に追い込むこともあります。
親子間では夫婦よりも立場や体力の差ができることもあり、親が加害者の場合子供はかなり困難な状況に追い込まれてしまいます。
被害妄想に陥っているとき
ガスライティングの被害者は不安から混乱、疑心暗鬼に陥っていることも多いです。そのせいかガスライティングそのものを被害妄想と周囲に判断されることもあります。もちろん本当に嫌がらせを受けていた場合もありますが、中には本当に本人の被害妄想というケースもあることが厄介です。
被害妄想をしているときは、ガスライティングされていなくても孤立しやすくなります。そして孤立することでさらに思考が固くなっていき、他人の意見を聞いたり現実の証拠を見つけたりすることができなくなってしまいます。
ややこしいのですが「ガスライティングされている!」と被害妄想している状態が、実際にガスライティングのターゲットにされやすいという話です。ターゲットは被害妄想ですでに孤立しており混乱に陥っているため、本当に加害してもバレにくく、味方してくれる者もいないという状況になってしまいます。
先程ガスライティングのターゲットになりやすい人にトラウマや心理的な問題を抱える人を挙げましたが、これも加害者側が有利に立てる、被害者側を追い込みやすいからです。
ガスライティングから身を守る方法
ここからは、ガスライティングから身を守方法について書いていきます。
自分の状態を把握する
ガスライティングから身を守るためには、常に自分の状態、感情を把握しておくことが大切です。実際に被害を受けると、感情の混乱やストレスを引き起こし、ネガティブな影響を受けてしまいます。ダメージを最小限に抑えるためにも、自分の感情を大切にする癖をつけましょう。日記などで自分を表現をするのもおすすめです。より客観的に心の状態を見ることができるからです。
メモを取る
ガスライティングの加害者は、約束を破ったり過去の加害や言動を否定する、曖昧にする場合があります。自分が不利にならないためにも、信用できない相手、自分に悪意を持っていそうな相手と関わるときはメモを取るといいです。自分の記憶を確認することができる上に、加害者が言ったことと実際の状況を比べることもできます。
文書や音声の記録を残す
メモ同様、加害者があとで自分の不利な言動を否定することが多いため、対話や出来事を文書化、音声化することもおすすめです。やはり見える、聞ける形で記録しておくと、後から確認することが容易になります。
信頼できる人や専門家に相談する
ガスライティングを受けたら、信頼できる友人や家族、もしくは専門家に相談しましょう。話を聞いてもらうだけでも自分の経験や感情を共有できるので、一人で混乱に陥る、被害妄想で孤立するリスクを回避できます。もし自分がターゲットにでなくても身近な人がガスライティングに巻き込まれている、被害妄想で苦しんでいると感じた場合は、信用できる人やプロのカウンセラーなどに相談してみてください。
デジタルリテラシーを身に着ける
最後はデジタルリテラシーを身に着けることです。デジタルリテラシーとは、インターネット上での情報を評価し、信頼できるかどうか判断するスキルです。ガスライティングの証拠としてメモをとる、音声を残すなどの方法がありますが、加害者側が音声の切り取りなど捏造を仕掛けてくる場合もあります。
そういったフェイクを見抜くためにも、写真の加工や動画、音声編集の基本的な知識を身につけておくこともおすすめです。そうすると、「この音声は不自然に切れているから切り抜きかも」「この写真は合成かもしれない」などと気付けるようになります。
ガスライティングを受けたときはとにかく冷静になろう
ガスライティングを受けたと感じたら、とにかく冷静になりましょう。ガスライティングの目的は相手を混乱させ、破滅へ追い込むことなので、感情的な対応をするのは危険です。特に取り乱す、過激な行動に出ることは孤立の原因となります。加害者側の人数が多い場合、決定的な証拠を突きつけない限りは、被害者が不利になるような印象操作が行われることもあるでしょう。
下手に怒ったり泣いたりすると、ますます立場が悪くなってしまう可能性もあるため、1人になれる、またはガスライティングの加担者がいない安全な場所で気持ちを落ち着けましょう。落ち着いてから計画的に証拠を集め、反撃の準備をするほうが効率もいいです。
また、「自分はガスライティングの対象になりやすいか」冷静に考えてみることも大切です。その上で、今自分がいるコミュニティや近しい人間との関係、距離感を見つめ直してみるといいでしょう。自分が信頼できる人との関係性を大切にして、雑に扱ってくる人、嫉妬深い人、執着心が強い人から距離を置くことをおすすめします。
状況を的確に把握してガスライティングから身を守ろう
人付き合いが苦手な人、心理的な問題を抱える人だけではなく、心身ともに弱っているときは誰でもガスライティングされる可能性があります。私も困ったときに的確に状況を把握できるよう、不安を自分でコントロールできるようにしたいと思いました。これからも人付き合いで起こりうるさまざまなトラブル、嫌がらせに関する予防策、対応策について考えていきたいです。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。