今回はアウトプット・インプットについて書きます。自分が何か話したり書いたりする上で、自己表現の仕方、伝え方についてに考えることが増えたからです。
アウトプット・インプットが下手なことと人付き合いが苦手なこと、コミュニケーションスキルが足りないことを絡めて考えていきたいと思います。ではよろしくお願いします。
昔から人付き合いとアウトプットが苦手だった
私は昔から人付き合いが苦手でした。誰かと一緒にすること全般が上手くできなかった感じです。これには、アウトプットが下手だったことも関係ある気がしています。
人付き合いが苦手でもインプットはそこそこできた
自分の情報、知ったこと、要望などを伝えることなどアウトプットに含まれるものは苦手でしたが、インプットはそこそこできていました。
多分、インプットはアウトプットより受け身でいてもいいし、本を読む、大人の話を聞くなど、知識を吸収することは結構好きだったからだと思います。
しかしそのインプットしたことを自分でまとめて発表する、アウトプットする場合は全然うまくいかなかったんです。得た知識や自分が持っている情報を外に伝えようとするとき、「ちょっとでも間違えてたら嘘つき扱いされるかも」といった強いプレッシャーを感じていました。
アウトプット先の相手が、提出したものを採点する教師1人くらいならなんとかなりました。でも発表会のような大勢の同級生に見せるイベントがある場合は、作業中から気が重くて仕方なかったです。
そして高校までの授業ではあまり困らなかったけれど、大学生になったら人前でのレポート発表が頻繁にあったので大変でした。
人付き合い苦手な人にとっては、断然大学のほうがいい環境だと思うのですが、人前で話す機会が増え、発表の時間も長くなったことはつらく感じました。
アウトプットが苦手な理由は不安と自信のなさ
私がアウトプットが苦手な理由は、「誤解されたら嫌だ」「言いがかりをつけられるのが怖い」「自分の価値観に自信がない」などと考えていたことにありました。
実際、勇気を出してアウトプットしても事前に心配していた通り、伝えたかったことを誤解され、そのあと面倒なことになった経験もあります。
私は知識を得ても、それを知恵として活用することが下手なのだと思いました。
自己完結できることなら、落ち着いて時間をかければなんとかなりますが、相手がいる場合は「失敗できない」と強く意識してしまい、余計に変なやり方になってしまっていました。
アウトプットができないことで人付き合いをより困難にしていた
私の場合「アウトプットが下手」ということも、人付き合いへの抵抗感に影響しています。当たり前ですが、自分のことをきちんと伝えられないと人間関係はうまくいきません。
特にコミュニケーション、相手に情報を伝えるのが下手という点で「伝わりやすい言い方ができていない」「情報を伝える相手を間違えている」こともよくありました。
きちんと伝えられていないから誤解される、誤解されてもうまく訂正できない、もっと誤解が深くなるの悪循環でした。
人付き合いが苦手なこととアウトプットが下手なことで憂鬱だった過去
私が「人付き合いって嫌だな」と強く感じ始めた時期は、小学校の頃でした。もともと人間関係でストレスを感じやすかったけれど、なんとか黙ってやり過ごしていれば済むくらいの認識でした。
それが小学校に入った途端、短時間だけれど人前で発表する機会ができました。つまり、アウトプットをしなければならなくなったということです。
何の発表でも自分が当番の日は本当に憂鬱でした。特に月に1回くらいの頻度で回って来る「朝のスピーチ」はきつかったです。私は日直の号令すらガチガチに緊張していたのだから当たり前です。
スピーチといっても、大人ほどきっちり話すことは求められません。ただ、人前で自分が「何に興味があるか」を言わせられることに抵抗があったんだと思います。
どこかで「自分が好きなもの、興味のあるものを言ったら馬鹿にされるのでは」と感じていたからです。
何のテーマなら無難なのか、変につつかれないのか、笑われないのかすごく気になってでも思いつかなくて、自分の番が来る1週間前は何をしても楽しくなく、憂鬱に過ごしていた記憶があります。
まず人前で話したくなかったし、存在感を極力消していたいのに、発表の度に失敗して悪目立ちしてしまうので、ある意味受験生の頃よりきつかったです。
大学生になってアウトプットが苦手なことを意識し出した
自分が人付き合いが苦手というだけではなく、「アウトプットも下手」ということを意識したのは、前にも書いた通り大学生になってからでした。
大学は私のような人付き合いが苦手な人間でもそこそこ居心地がよく、雑談したり一緒にレポートを書いたりするくらいの友人も数人できました。
あるとき人のレポートを見せてもらう機会があったのですが、すごく読みやすくきれいにまとまっており、頭にすっと入る内容でした。
それに比べて自分のレポートはまとめ方が雑で、テーマの深掘りもできてなくて、何を言いたいのかさっぱりわかりませんでした。
当然発表もボロボロで、先生にも呆れられながらたくさん指摘され、ものすごく恥ずかしかったです。
ここでようやく口頭でうまく話せない、伝わらないなら、せめて書いたものだけでもきれいにまとめたいと自主的に思えるようになりました。
アウトプットのやり方はなかなか上達しなかった
自分がアウトプット下手と自覚し、それを改善しようと思うようになりましたが、簡単には上達できませんでした。
在学中は何回もレポートや発表の機会がありました。発表では上手な人の真似をしていろいろ工夫してみたけれど、今度は内容の薄っぺらさが目立つようになってしまいました。質疑応答でも詰まってしどろもどろになってしまいます。
同じところから得た情報でも自分がまとめるとおかしいし、たくさん集めるとすっきりしない状態になってしまうんです。かといってきれいにまとまるようにしたいと思うと、今度は全然深掘りできなくてダメでした。
あとはレポートの上手な人に比べて、私は知識の活用の仕方、言葉の使い方、文章の組み立て方も悪い意味で独特で、これも誤解されやすい原因だと思いました。
「結局何が言いたいのかわからない」私の下手なアウトプットは、仕事をしはじめてからも続きました。緊張しやすくなった分、学生の頃より悪化してしまった気もします。
アウトプットが下手で相談に抵抗があった
子供の頃よりは多少コミュニケーション能力が上がったとはいえ、アウトプットが下手だと肝心なところで誤解されてしまうこともありました。
それが会社に入ったころの話です。報告、連絡、相談ができないと会社ではうまく働けません。特別会社の人々と仲良くならなくても業務に必要な情報はしっかり共有する必要があります。
「報連相」ともいわれ、職場内で重要視される3つですが、この中で私が特に困ったことは相談でした。
報告、連絡はなんとかできるものの、相談は人を頼り、自分の状況を的確に伝える必要があります。
うまく伝わらずに誤解される、相手が苛立つ、問題は解決しないどころか大きくなるといったような最悪な状況しか想像できなくて、相談することにはかなりの抵抗がありました。
しかし、相手からすると相談が遅くなればなるほど迷惑になるので、限界が近くなってからようやく相談するほうがまずいんですよね。
苦手なら苦手なりに、早い段階で相談する、ウザがられてもこまめに確認しに行くしかないので、失敗して以降は何事もなるべく早めに相談するように心がけています。
アウトプットが苦手になる原因
ここまで過去の体験などを書いてきましたが、多くの場合、アウトプットが苦手になる原因は以下の3つではないかと思います。1つずつ見ていきます。
他人を気にし過ぎている
アウトプットは自分の内に入れた情報を、外に向けて出していく作業です。勉強した知識をブログや動画、Twitterで書くこともアウトプットに含まれます。
自由に自分の思い付いたこと、言いたいことをどんどん発信できる人がいる一方で、周囲を気にして本当に言いたいことを言えない人も少なくありません。
他人の目がアウトプットに支障を来している場合は、公開しない状態でブログやSNSをやってみることがおすすめです。ネット上に抵抗があるなら紙の日記でもいいと思います。
自分で伝え方を研究しつつ、興味のある文章や動画をたくさん見てみましょう。そのうちに「この文や言い方はわかりやすい」というものが見つかるはずです。
手本があると「こういう言い方ならおかしくない」など、自分のアウトプットに自信がつきます。表現力や伝える力も鍛えられるでしょう。
表現力・語彙力が不足している
アウトプットが苦手になる理由として、表現力と語彙力の不足が挙げられます。書きたい・言いたいことをうまく伝えるなら、表現力は欠かせません。
語彙力も大切です。語彙がないと同じ言葉ばかり繰り返し使い、話や文章が単調になってしまいます。また、言葉の選び方次第では、誤解やトラブルを招くこともあるかもしれません。
その場に合った表現や言葉を選べるようになると、誤解されにくくなります。表現力・語彙力の不足でアウトプットがうまくできない場合は、読書がおすすめです。
本を読むだけでも表現力と語彙力は鍛えられます。ぜひ試してみてください。
インプットが不足している
3つ目の理由はインプットの不足です。アウトプットができない場合、最初のインプットで失敗しているかもしれません。
自分ではインプットできているつもりでも、アウトプットする段階になると「何を言いたいのかわからなくなる」ことがありませんか。
私もよく陥る状態ですが、よく考えたら本当に必要な箇所をインプットできていなかっただけということが結構ありました。
現代は便利になったとはいえ、1つのサイトや本に自分の知りたいことがすべて載っているわけではないですよね。
調べものの際は、サイトならいくつかチェックする、本なら何冊か読むことが一般的です。しかし、私はチェックするサイトや本の数が少なくて必要な情報が欠けていました。
だからアウトプットの段階で苦労したし、「何が言いたいかわからない」文章になっていたんだと思います。
自分の考えや気持ちを伝える場合も、以前は話す前に頭の中で言いたいことを整理する、どういう順序で話せばわかりやすいか考えることをを一切していませんでした。
インプット不足が原因でアウトプットができない場合は、事前の情報収集に力を入れましょう。アウトプットよりもインプットをしっかり行うことを意識すると良いと思います。
また、話す前に言いたいことや自分の考えをまとめておくこともおすすめです。苦手な人と話す時にも役立ちます。
アウトプットに不足しているものを知っておこう
アウトプットが苦手になる原因はさまざまです。私の場合、インプット不足もありますが、人付き合いが苦手で他人が必要以上に気になってしまい、自己の表現ができなかったことでした。
いまだに「結局何が言いたいんだろう」と自分で思うことはありますが、昔よりは自分で納得できるようにまとめられるようになったと思います。
本を読んだり、10年以上毎日日記を付けたりしてきたことで、自分のアウトプットは前よりマシになったように感じています。会話で変な誤解をされることも減りました。
それにどんなに気を付けて話しても、やっぱり誤解される時はされるし、意図的に話を捻じ曲げる人もいる、どうしても話が通じない場合もあるということもわかってきました。
今回のアウトプットの話は、人付き合いが苦手な人がトラブルからの身を守ることにもつながると思います。
伝えたい内容、話したくない内容を頭で整理してから話すことで、うっかり余計な情報を言ってしまうリスクや、誤解されやすい言い回しを防げるでしょう。
意図をきちんと伝えられることで、自分の意志が尊重されやすくなるし、粗探しをする人、攻撃的な人から身を守ることにも繋がると思います。人付き合いが苦手な方、トラブルに巻き込まれやすい方は情報の伝え方、アウトプットの仕方を見直してみてください。
では最後までお読みいただき、ありがとうございました。