私は人付き合いが苦手で、今でも人間関係のほとんどはストレスです。今では特に治すものだとも思っていませんが、以前はなんとか社会に適応しようと必死でした。具体的には人前で喋る、4人以上で行動する(3人までなら意外と平気)ことに必要以上の労力を使う感じです。
もっと苦手なことは、人との距離を縮めること、長期間近い距離で親密に付き合うことな気がします。1対1でもべったり仲良くするのは無理です。あとは人間関係をリセットしがちで、あまり他人に深入りしたい・させたいと思いません。ネットではそこそこ似ている価値観にも出会えるけれど、現実社会ではおそらく少数派です。
こんな自分とは反対に世間には「人付き合いがうまくできる人」も存在しています。私は関係が濃くなるほど、対等さが失われていき、支配と依存の関係性になりやすいため、うまく健全な関わりができる人との違いは何なのかが気になっていました。
少なくとも、違いがわかれば歪な関係防止策になるし、依存的な関わり方をしない、させないコツも見えてくるかもしれません。そこで今回は人付き合いがうまくできる人を参考にしてみたこと、取り入れてよかった点と気付いたことについて書いていきます。
人付き合いがうまくできる人の特徴
人付き合いがうまいというと、常に人の中心にいるタイプを想像するかもしれません。確かにその手の人間は誰とでもうまく関わっている気がしますよね。
この記事では、トラブルに巻き込まれず、加害者にも被害者にもなりにくい、その上で人との距離感を適切に保っているタイプを「人付き合いがうまい人」と表現しています。トラブルメーカーに目を付けられにくい、仮にロックオンされてもすぐ離れられる、面倒事を押し付けられる前にその場から去る、といったイメージです。
優しい、善良な人という括りでもないですが、誰かを貶めなくても自分に火の粉がかからないようにできるという点は、とてもスマートだなと思いました。恨みや妬みも買いにくそうです。これまで職場などで人間関係の要領がいい人を見てきましたが、以下で紹介する4つの特徴があると気付きました。では1つずつ見ていきましょう。
他人に深入りしない・させない
人付き合いがうまくできる人は、他人に深入りしない・させないを徹底していると思いました。悩みや弱味をさらけ出すのは、本当に信頼関係がある間柄だけです。むやみに人前で愚痴を言わないし、他人の愚痴にも簡単に同調しないタイプが多かった気がします。
言っても「ふーん」「そうなんですね」くらいで、よほどのことがない限り陰口には参加していませんでした。自分も深入りは苦手ですが、場の雰囲気次第では簡単に弱音を吐いてしまう、苦手な上司の愚痴にうっかり参加してしまうということがありました。
うまくやれる人は、警戒すべき相手とそうでない相手を当人たちに気付かれないように分類して接しているような印象でした。「この人ちょっと苦手」という感情が表に出にくいのかもしれません。多分、自分がうまくできなかったのは、相手に対して「苦手」という感情を隠すことだったのかもと思いました。
できないことはしっかり断る
人付き合いがうまい人の特徴として、できないことをしっかり断れるというものがあります。少なくとも、その場の空気で安請け合いはしません。「やりたくない」「できない」ことを引き受けてしまうと、大変なのは自分です。仕事の場合、1人が安請け合いしたことで、他の人にも迷惑がかかる可能性もあります。
自分も含め、要領が悪い人ほど評判を気にしたり、無計画に仕事を請け負ったりしがちです。結果、労力の割に報酬は少ないという状況に陥りやすく、損をしてしまっていると思います。要領がいい人は、相手から強気で来られてもきっぱり断っているし、下手に気を持たせるようなことも言いません。実際、最初から突っぱねる方が期待させるより後腐れないですよね。
自分と他人のプライバシーを守っている
人付き合いがうまくできる人は、自分のプライバシーはもちろん他人のプライバシーも守ります。やはり、迂闊に何でも喋ってしまうのはリスクが大きいです。昔は言いふらされた側が泣き寝入りを余儀なくされていたかもしれませんが、今はいくらでも報復の手段があります。
どこで誰が聞いているかもわからないし、「あの人が言いふらしたせいで」と恨みを買うことは避けたいです。極端な話、誹謗中傷などはその場にいただけで同調していた、主犯の取り巻きなどと誤解される可能性もあります。
また、そういったグループの中でも、立場が弱いと何かあった時に矢面に立たされやすいため、他人のプライベートを好き勝手吹聴している人とは下手に関わらないことがベストです。私も知り合いの話をする時は、どんなに嫌いで恨んでいる相手でも個人を特定できそうな情報は出さないように気を付けています。
ネットでもリアルでも後々のことを考えて「自分からは攻撃していない」という姿勢でいた方が、面倒事に巻き込まれにくいし、実害があった時「どっちもどっち」になりにくいです。人間関係のトラブルに巻き込まれないためには、自分や他人の情報の扱いには慎重になった方がいいでしょう。
人間関係以外の事に力を入れている
人付き合いがうまい人の中には、趣味や勉強、副業などに力を入れている人もいました。仕事の他に夢中になれることがあるため、職場での人間関係に固執していない感じでした。
一方、私は就活が散々だったこともあり、「運よく受かったここでうまくやっていくしかない」という強迫観念がありました。おまけに趣味もなく、毎日「嫌だ嫌だ」と思いながら出勤するだけで、何か突破口を探す気もなかったです。でも、職場がすべてではなくなると、気持ち的に全然違うんですよね。「嫌われないようにしよう」が「どうでもいい」に変わっていきました。
無理してではなく、自然に「どうでもいい」と思えるようになるとと、精神的に楽になります。どうでもいい人達に嫌われようが悪口を言われようが関係ない、という心境になったのはこの時が初めてだったかもしれません。
他人に対してビクビクしなくなると、それだけでバリアみたいなものができる気がします。攻撃される側に原因があるとは思いたくないけれど、相手を適度に無視できるようになると、付け入る隙がなくなるのは確かです。
私は働き方について調べるうちに、仕事や生き方について考えることが趣味になっていき、ある日「なんだ、別にここにいなくてもいいんだ。辞めよう」とすんなり決心が付きました。「ここしかない」となると、場所に自分を合わせようとしますが、他に好きなものや居場所を見つけると精神的に自由になります。1つに依存しなくて済むと、気持ちにも余裕が出てくるため、いい意味で適当に人付き合いできるようになるのかもしれません。
人付き合いがうまくできるのは自他境界がはっきりしているから
人付き合いがうまくできている人は、自分の気持ちをわかっていて、自分と他人の境界をしっかり認識しているということだと思います。
逆に人付き合い苦手でストレスを抱えている人は、自分の気持ちに無理をしているか、自他境界が曖昧で人に影響を受けやすいと言えるでしょう。他人と自分の線引きができていないと人に依存する、される関係になってしまうこともあります。
人付き合いがうまくできる人は、依存的・支配的な人を寄せ付けません。他者と健全な関係を作ることができるため、一方的に頼ってくる人、過干渉な人、不安定な人が入り込む隙がないからです。
無理せず関わる人は選んでいい
人間関係が苦手な人は、関わる相手を選ぶ方がいいでしょう。昔は来るもの拒まずが理想的とされていましたが、それでは悪意のある相手が来た場合、損をしてしまいますよね。
立場が安定している人、何かトラブルがあっても味方をたくさん作れる人向けの言葉だと思っていました。もちろん、関わる人を選ぶ権利は他人にもあります。自分が他人から「関わりたくない人」認定されて拒絶される可能性もあると思っておきましょう。
ストレスを与える相手といるより孤独の方がいい
今は一緒にいて疲れる人、嫌な気持ちになる人のことまで我慢して受け入れる必要はないという風潮になってきました。関わりを避けられない場合は、事務的に関わるだけで十分という変化は、人間関係がストレスな人にとっていい傾向だと思います。
もともと積極性のない人、人気のない人が「来るものは選ぶ」を実践したら孤独になるだけなのでは?という気もしますが、身を守る方法さえ知っていれば、孤独でもなんとかなると思います。
個人的に、孤独を楽しめるという状態になって初めて他者と対等で良い距離を保った関係が築けるようになったと実感した経験があるため、孤独をそんなに悪いものだとは感じないです。幸い自分について考える、分析することは結構好きだったので、1人でいられる場所や時間があった方が冷静さを保てるし、気持ちが安定しやすいと思います。
前は「生きている限りこんな状態が続くなら何をしても無駄」と思っていたのが、「苦痛を避ける、最小限に抑えるにはどうすればいいか」を考える余裕が出てきました。何が苦手か、どんな場所が合わないかを知って、それを基準に自分で選択できるよになると、ネガティブな感情に振り回されにくくなってきます。
人付き合いがうまい人を参考にしてみよう
人付き合いが苦手でも、要領のいい人を参考に真似できるところは真似してみると、自分の感じ方や価値観がいい方向に変化するかもしれません。自分の身を自分で守ることにも繋がると思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。